化粧品製造販売許可

化粧品製造販売許可とは、化粧品を製造販売する事業を営もうとする者が、都道府県知事に対して行う申請です。

化粧品とは、人の皮膚を清潔にし、美化し、また、その健全な状態を保持する目的で、身体に塗擦、散布し、又は接着する物で、人体に対する作用が緩和なものをいいます。

化粧品は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「法」という。)」により規制されているため、国内で製造又は海外から輸入した化粧品を販売・授与するためには、通常、化粧品製造業及び化粧品製造販売業の許可が必要となります。
これらの許可申請は、製造所や製造販売の許可を受ける事務所の所在地の都道府県知事に対して行うことになっています。

化粧品の定義(法第2条第3項)
化粧品とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいいます。
例)化粧水、香水、口紅、シャンプー、化粧石鹸など

※この化粧品の定義にそぐわないものや、化粧品の効能の範囲をこえるものは、医薬品又は医薬部外品に該当する場合もあります。

手作りせっけんの製造・販売をされる方へ
人体に使用するためのせっけんは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(以下「法」という。)」に基づく化粧品に該当し、許可を得ないで製造したものを他の人に販売・授与(無償でプレゼント)することは規制の対象となりますので、ご注意ください。
なお、製造量が少量であっても対象となります。

無許可で製造された化粧品を販売・授与することは禁止されています。

化粧品の効能の範囲
化粧品の効能として認められている範囲は、原則、56項目に限定されています。

化粧品の成分規制
化粧品の成分は、「化粧品基準」(平成12年厚生省告示第331号)に適合したものでなければなりません。
化粧品には、医薬品の成分(添加剤としてのみ使用される成分及び「化粧品基準」の別表第2から別表第4に掲げる成分を除く)、「生物由来原料基準(平成15年厚生労働省告示第210号)」に適合しない物、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号)第2条第2項に規定する第一種特定化学物質、同条第3項に規定する第二種特定化学物質その他これらに類する性状を有する物であって厚生労働大臣が別に定めるもの及び「化粧品基準」の別表第1に掲げる物を配合してはいけません。

製造販売を行う化粧品の確認事項
(1)化粧品の定義に合致していることの確認
(2)化粧品の効能の範囲内であることの確認
(3)配合成分が化粧品基準に適合していることの確認
許可取得の要件

(1)製造販売業許可
1)申請者(法人の場合は、薬事に関する業務に責任を有する役員)の要件(法第12条)
申請者が、法第5条第3号イからトまでのいずれかに該当するときは、許可を与えないことがあります。

<法第5条第3号>
イ 法第75条第1項の規定により許可を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者
ロ 法第75条の2第1項の規定により登録を取り消され、取消しの日から3年を経過していない者
ハ 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた後、3年を経過していない者
ニ イからハまでに該当する者を除くほか、この法律、麻薬及び向精神薬取締法(昭和28年法律第14号)、毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)その他薬事に関する法令で政令で定めるもの又はこれに基づく処分に違反し、その違反行為があつた日から2年を経過していない者
ホ 麻薬、大麻、あへん若しくは覚醒剤の中毒者
ヘ 心身の障害により薬局開設者(化粧品製造販売業者)の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定める者(※)
ト 薬局開設者(化粧品製造販売業者)の業務を適切に行うことができる知識及び経験を有すると認められない者
※ 厚生労働省令で定める者は、精神の機能の障害により薬局開設者(化粧品製造販売業者)の業務を適正に行うに当って必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者とする。(施行規則第8条)

2)総括製造販売責任者の設置(法第17条第1項)

化粧品の製造販売業者は、厚生労働省令で定めるところにより、化粧品の品質管理及び製造販売後安全管理を行わせるために、厚生労働省令で定める基準に該当する者を置かなければなりません。
化粧品の品質管理及び製造販売後安全管理を行う者に係る法第17条第1項に規定する厚生労働省令で定める基準は、次の各号のいずれかに該当する者でなければなりません。

<総括製造販売責任者の基準(施行規則第85条の2第2項)>
一 薬剤師
二 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する専門の課程を修了した者
三 旧制中学若しくは高校又はこれと同等以上の学校で、薬学又は化学に関する科目を修得した後、医薬品、医薬部外品又は化粧品の品質管理又は製造販売後安全管理に関する業務に3年以上従事した者
四 厚生労働大臣が前三号に掲げる者と同等以上の知識経験を有すると認めた者

3)安全管理責任者の設置(GVP省令第15条で準用する第13条第2項)

○安全確保業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。
○化粧品の販売に係る部門に属する者でないことその他安全確保業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。

4)品質保証責任者の設置(GQP省令第17条)

○品質管理業務を適正かつ円滑に遂行しうる能力を有する者であること。
○化粧品の販売に係る部門に属する者でないことその他品質管理業務の適正かつ円滑な遂行に支障を及ぼすおそれがない者であること。

5)組織・各種文書・手順書の整備(法第12条の2)

品質管理の方法や、製造販売後安全管理(品質、有効性及び安全性に関する事項その他適正な使用のために必要な情報の収集、検討及びその結果に基づく必要な措置をいう。)の方法が、厚生労働省令で定める基準に適合しなければなりません。

(ア)GVP(Good Vigilance Practice)
製造販売業者は、製造販売している化粧品について、安全性の確保を行わなくてはなりません。製造販売後安全管理の基準として、「医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の製造販売後安全管理の基準に関する省令(平成16年9月22日厚生労働省令第135号)(以下「GVP省令」という。)」があります。
化粧品の製造販売後安全管理にあたっては、GVP省令に適合している必要があります。GVP省令は製造販売業の許可の要件であり、許可を保持するためにもGVP省令の遵守が必要です。

(イ)GQP(Good Quality Practice)
製造販売業者は、製造販売する製品について、適正な品質を確保するため、品質管理を行わなくてはなりません。品質管理の基準として、「医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令(平成16年9月22日厚生労働省令第136号)(以下「GQP省令」という。)」があります。 
化粧品の品質管理にあたっては、GQP省令に適合している必要があります。
GQP省令は製造販売業の許可の要件であり、許可を保持するためにもGQP省令の遵守が必要です。

化粧品製造販売許可の提出方法は、都道府県知事の指定する様式に必要事項を記入の上、提出することができます。
審査の結果、許可が認められた場合、化粧品製造販売許可証が交付されます。

化粧品製造販売許可の具体的な流れは、以下のとおりです。
化粧品製造販売許可を受けるために必要な要件を満たしていることを確認する
営業所の所在地を決定する
製造販売する化粧品の概要を作成
製造販売する化粧品の品質管理の方法及び設備の概要を作成
製造販売する化粧品の製造販売を行うための資金計画
化粧品製造販売許可申請書を提出する
都道府県知事から化粧品製造販売許可証を交付を受ける

化粧品製造販売許可を提出する際には、以下の点に注意しましょう。
申請書に必要事項を正確に記入する
提出書類を漏れなく揃える
化粧品製造販売許可に必要な要件を満たしていることを確認する