インタビュー

ナカ行政書士事務所についてお話させていただきました。

―中村先生は行政書士事務所を運営されていますが、行政書士というと一般的には何をされているかわかりにくい業種だと思います。仕事内容をついて教えていただけますか?
中村行政書士業務の正確な定義は行政書士会のサイトに記載がありますが、一言で表すと「行政手続きの法律の専門家」です。その中で私はスタートアップ、中小企業支援を中心に活動しています。 現在は補助金・契約書・業務効率化・市場分析がメイン業務となっています。
―ナカ行政書士事務所の中小企業支援と一般的な企業法務との違いは?
中村大きな違いは、いわゆる法的適合性のみを審査する法務ではなくマーケティングリサーチに力を入れています。 補助金や融資で事業計画を作成しますが、その際丁寧に市場のリサーチができている企業は、 ベンチマークと定点観測を精査でき、修正も迅速に行えます。 事業計画は事業の根幹となるものですので補助の有無に関わらずしっかりとしたものを作成することを推奨しています。

ビジネスでは予測が難しいことが多く起こります。 私が担当した企業ではありませんが、業績が好調でシェア率を50%保持し生産が追い付かず、 増産のため大規模工場を建てた直後に大資本に参入され売上が半減したというケースがあります。 新しい市場でしたので、他社が参入タイミングを伺っていたのかもしれません。 そういったリスクにどう対応するか数字の面以外に感覚的なものがあり判断が難しいです。

投資をする時には、一般的には現在のトレンドが続くことを予想しますが、 先程のケースのように外的要因で業績が急降下した場合、企業にどれだけ耐えうる体力があるか念頭に置いて行うと良いと思います。 また、不測の事態が起きた場合に迅速な対応をするため、修正して立て直すためにも事業計画を元にした定点観測で市場動向を観察しておく必要があります。
―相談を受ける時に注意していることは?
中村2つあり、1つは依頼者様からの本来の相談目的を見るよう心掛けています。補助金の相談を受けた方が、話をお聞きするうち補助金以外での資金繰り、コストカットや業務効率化で解決できる手段があり、そちらに相談が移行することがあります。マーケティング用語でドリルを売らずに穴を売るという言葉がありますが、補助金は資金繰り改善の手段の1つで、目的を達成できる代替手段がある場合がありますし、コストを抑えて事業展開する方法もあります。 補助等の公金は、もらうことが前提ではなく事業展開の過程の1つとして、事業計画を作成し事業の精査を行うことにメリットを感じています。 補助を受けず成功しているビジネスは多々あります。

もう1つは、正確な情報を回答したいと考えているため、簡単な質問以外は断言せず持ち帰ってから回答しています。 そのため対面での打ち合わせで、曖昧でほとんど何も答えず帰ることもあり不安を感じる方がいらっしゃいます。 このスタンスでの対応を他士業の先生に聞いたことがありますが、優秀な先生でそういうスタンスの方がたくさんいると回答をもらい、間違っていないと考えるようになりました。専門家として回答すると相談者様はそれが答えになってしまいますので、 自信満々に答えることはリスクであり相談者様の利益にならないと考えています。 それが良かったのか、大きなトラブルになったことはありません。
―他業務に当たって気にしている点は?
中村業際と言われる士業独特のルールがあり、依頼者様から見ると相談先がわかりにくい制度です。当所は相談内容によってこの士業の先生に依頼すれば良いとご案内しています。そういった案内を行っているところは少なく、感謝の言葉をいただくことがあります。利益にならない部分ですが、今後も続けていきたいと思っています。
―行政書士事務所を始めようと思ったきっかけは?
中村以前サラリーマンとして勤務している時、企業内でPマークの個人情報保護管理者をしていました。
その際に、Pマークコンサルタントの行政書士の先生とお仕事させていただきました。
もともと法律や制度に興味があり、法律資格の登竜門と言われる宅建士を保有していたのですが活かせずにいました。 その折に、Pマークコンサルタントの方と社内制度の整備や申請を共に行い、 行政書士という業種の仕事内容を知り、資格取得を考える契機となりました。
―これまでで大変だったことは?
中村2020年コロナ禍での開業となり、新人行政書士が受ける対面での研修等がほぼ全て中止になってしまいました。
私は独学で資格を取得し開業したため、周りに同業や他士業の知り合いがまったくいません。
そんな中、事業の先行きに不安を抱えた方々から様々なご相談を受け、試行錯誤しながら、時には依頼者様にご指導を賜りながらやってきました。
徐々に研修等や他機会で他士業の先生方の知り合いが増えましたし、当時相談を受け一緒に対策を考えた事業者様も継続して事業をされています。
この時の経験はこれからも生きてくると考えています。
―質問は以上となります。本日はありがとうございました。
中村ありがとうございました。

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約30分のインタビューを受け、当所のことを話させていただきました。
※内容は抜粋・要約しています。